『新発見で迫る戦国の謎』(TJMOOK ふくろうBOOKS/宝島社)で、秀吉の指月伏見城をはじめいくつかの記事をまとめました。

『新発見で迫る戦国の謎』(TJMOOK ふくろうBOOKS/宝島社)で、秀吉の指月伏見城や、小牧・長久手の戦い中に家康が降伏を申請したことについての秀吉の書状、琉球国王・尚寧に宛てて秀吉天下統一完成の祝賀使節を送るよう依頼する島津義久の書状、秀吉の朝鮮出兵と航海技術の関係、天空の城・竹田城と戦国シルバーラッシュ、ヨーロッパ史から見直す遣欧使節、新井白石とシドッチ、貯蓄資産としての埋蔵金についてまとめました。

 ジョヴァンニ・シドッチは1708年に月代(さかやき)をそり上げ、和服姿で屋久島に密入国したイタリア人宣教師。平成26年に東京・小石川の切支丹屋敷跡からシドッチとみてほぼ間違いない遺骨が出土しました。DNA鑑定と、新井白石のシドッチ尋問記録『西洋紀聞』からの割り出しです。

 その西洋紀聞に興味深い記述があります。新井白石が、どうしてこんな東の果ての小国(白石は日本を極東の小国と認識していた)にこだわるのかとシドッチに尋ねていますが、その流れの中で、アジアの大国・中国(当時は清)についてこんなことを言っています。
「日本人は物事を丸く見るが、中国人は四角く見る。日本人が温和なところは衣服のようだが、中国人の心持は腰掛のように固い。また、中国人は近しくいるものを賤しく考え、そのうえ、遠くにいるものについて尊ぶことをしない」
 白石は、中国人は原理主義(漢人の正を守て、動かしがたき)だからな、としてこれを受け、日本は仏教が隆盛しているために教えも人それぞれで「みづから異教を見て、怪しむ事をしらず」と言っていますが、その良し悪しについては触れていません。


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