「ありがとう」の由来、歴史的経緯など、「ありがとう」だけで書いた一冊です。
序章 「ありがとう」の相手は「人」ではなく「世の中」
●実は自虐風、逆説的な「ありがとう」という言葉
●外国語の感謝の言葉と「ありがとう」の違い
●「ありがとう」が大好き、の統計的根拠
●「ありがとう」でできている小津映画『東京物語』
●『東京物語』が見事に示す「ありがとう」の原理
第1章 「ありがとう」はいつどこで生まれた?
●明治時代後期に始まった「ありがとう」普及作戦
●教育の世界の、日本vs.中国
●選別された「方言」こそが「標準語」
●「ありがとう」が標準語になった瞬間
●国語辞典に載っていなかった「ありがとう」
●実は京都弁だった「ありがとう」
●宣教師による戦国時代日本語研究の凄まじさ
●1603年刊行ポルトガル語辞書に載っている「ありがとう」
●方言にうるさかった宣教師の『日葡辞書』
第2章 「ありがたいvs.かたじけない」のシェア競争
●「ありがたい」が感謝の言葉となる時
●『徒然草』に見る感謝の言葉
●『源氏物語』の「ありがたし」はネガティブ?
●「ありがとう」などとは決して言わない光源氏
●「ありがたし」の古代史と夏目漱石のニセ漢文
●古代の天皇が使った「ありがたし」大事件
●天皇の上に何者かがいる?
●仏マニアの孝謙天皇が引き起こした一大騒動
●仏教を国家事業化した天武天皇
●仏教依存症の父と娘
●なぜか「ありがとう」とシンクロする仏教の浸透
第3章 決して謝らない平安貴族と「ありがとう」の関係~『源氏物語』から~
●六条御息所が徹底的に悪い、その理由
●皇位継承に関する紫式部の過激な仕掛け
●安全保障装置だった「宿世」の思想
●いいわけだらけの『源氏物語』
●『源氏物語』が「小説」ではない理由
●宮中女房の読み上げ台本だった『源氏物語』
●「世の中とは何か」を教えるための『源氏物語』
●『源氏物語』がおもしろくないのは当たり前
●何でも入る魔法の箱「もののあはれ」
●「もの(存在)のあはれ(あれこれ)」は、つまり「世の中」
●そんなことって「世の中」にあるの?
第4章 創造しない日本の神と「ありがとう」の関係~本居宣長から~
●日本の神様はなぜ占いをする?
●『古事記』は文学的、『日本書紀』は学者風
●『古事記』は近現代に発掘された教養
●神話が表す、神話の子孫たちの「世の中」観
●日本神話に秘蔵されている「ありがとう」
おわりに 密やかに世界に誇るべき「ありがとう」の世界観
●「いただきます」の現代史~参考として
●世界一奥ゆかしく、世界一タフな日本
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